初心者でも出来る!簡単・らくらく作曲講座

誰でも出来る作曲法を解説。楽しいクラシックの聴き方や、作曲家のウラ話も。

ドヴォルザークは鉄ヲタだった!?あの有名作曲家の裏話。

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鉄道オタク、略して鉄ヲタ。単に電車が好き!というレベルの方から、乗り鉄撮り鉄、車両鉄などそのオタクのジャンルは細分化されるほど非常に濃く、深い世界。それに対しドヴォルザーク。後期ロマン派を代表するチェコの国民的作曲家。「新世界より」「ユモレスク」等、今でも親しまれる楽曲を多数発表する偉大な音楽家。この二つのキーワードは全く関連がないように思われますが、実は非常に深い関係のあるものなんです!いったいどういうことなんでしょうか。

ドヴォルザークガチ鉄道オタク伝説

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ドヴォルザークが住んでいたアパートはプラハ駅の近くで、毎朝駅に散歩に行くのが日課だったようです。作曲に行き詰まると散歩に出かけ汽車を眺めて帰ってくることもありました。列車の時刻表車体番号、さらには運転士の名前までも暗記していました。鉄道が遅延した時は、何故か駅員の代わりにお客さんに謝ったりすることもあったようです。

 

チェコでその名声を固いものにした後、1891年、ニューヨーク・ナショナル音楽院院長へ就任の依頼が来てアメリカ、ニューヨークへ渡ります。しかし、この渡米自体アメリカの鉄道を体験するという理由が大半だった…などと言われています。実際、彼は毎日のように最寄りのグランド・セントラル駅へ通い、シカゴ特急の車体番号を記録していたとか。

 

仕事で日課だった駅見学ができない時は、自分の弟子であり娘の恋人であるスークという作曲家に様子を見に行かせていたほどの熱心ぶり。しかしある日さらにドヴォルザークのガチ鉄道っぷりが明らかになります。

 

新しい機関車がデビューするという話を聞きつけたドヴォルザークですが、仕事で確認に行けないので弟子のスークに製造番号を確認に行かせました。しかし、鉄ヲタではなかったスークは間違った番号を調べて報告。それにドヴォルザークは大激怒したそうです。娘に「こんな基本もわからない男とお前は結婚するつもりか!」と本気で怒り、結婚に反対したそうです。

 

また、職業柄非常に音感が優れていたので、鉄道の通過音から異音を聞き分けて車両の異常を発見、列車の故障による事故を防いで大勢の乗客の命を救った事もあったとか。

 

アメリカからチェコに帰国した際には「アメリカとここでは列車が走る時のリズムが全く違う。これはアメリカの方がレールが長いためだろう」と語ったとう逸話があります。

鉄道好きはどんどんエスカレートして、「本物の機関車が手に入るなら、今までに私が作ったすべての曲と交換してもかまわない」という問題発言をしたこともありました。

 

いやいや、ガチすぎんだろ…

 

音楽の中にみられる「鉄道ネタ」

 

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これだけガチの鉄道オタクであれば、本業の作曲に反映されていないわけがないですよね。その一つをご紹介しましょう。

 

交響曲第9番「新世界より」―あまりに有名なのでほとんどの方が知っている曲でしょう。第二楽章の「遠き山に日は落ちて」のメロディーや、第四楽章の出だしなどは誰もが知っています。全部を通して聞くと40分を越える曲ですが、実はその中でシンバルが1回だけ鳴るというのはご存知でしょうか?しかも一番最後に「どしゃーーん!」とかっこよく鳴らすとかじゃないんです。なんでここ?っていうタイミングで「かしゃん…」と控えめに鳴るんです。

 

まずはこちらをお聞きください。本当に音が小さいので、注意しないと聞き逃しますよ。(シンバルは1:51ですが、出来れば最初からそこまで聞いてね☆)


Dvořák - Symphony No. 9 in E Minor "From the New World" - IV. Allegro con fuoco (Karajan)

分かりましたか?めっちゃ控えめですよね。

それにしてもこの大曲の中でわざわざ一度だけシンバルを流すのはなぜなんでしょうか?別に無くてもいいんじゃね?

いやいや、このシンバル非常に重要な役割なんです!

実はこの「新世界より」、全編を通して機関車を表す描写がいっぱいあるんです。第三楽章の3拍子のリズムは「シュッポッポ、シュッポッポ」と、少し喘ぎ気味の蒸気機関車を表しているとも言われていますし、第四楽章は動き出す重い動輪に始まって、全体が蒸気機関車や汽車の描写に満ちており、風を切る音、ドラフトの音、シリンダーの音、吐きだす蒸気などが描かれているとも言われています。

それで先程のシンバル。これは列車がブレーキをかけて、連結器をぶつける音を表していると解釈されています。鉄道好きならではの表現ですね。

 

新世界より」。これはアメリカに渡ったドヴォルザークが故郷のプラハを想って書いた曲と言われています。ドヴォルザークにとっての故郷に対する想いはやはり鉄道とは切っても切れない関係にあったのでしょう。

 

ドヴォルザーク:交響曲第8番&第9番「新世界より」

ドヴォルザーク:交響曲第8番&第9番「新世界より」

 

 さっきの動画のCDです。やっぱりクラシックはいい音質で聴かないとアカンでしょ。

 

まとめ

いかがでしたか?クラシックもこうやって聞くと結構楽しいもんですよ。

実は現在ではチェコプラハオーストリアのウィーンをつなぐ「アントニン・ドヴォルザーク」号という特急列車があるそうです。本人が知ったら泣いて喜ぶだろうなぁ。