初心者でも出来る!簡単・らくらく作曲講座

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【祝・ドラクエ30周年】すぎやまこういち氏の作曲スタイルとは?

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2016年、今年はドラクエ発売から30周年だそうです。何かイベントがありそうですね。ドラゴンクエストシリーズ全作に渡って作曲を担当している、ドラクエには欠かせない人物すぎやまこういち先生。一体曲作りにどんな特徴があるんでしょうか?

 

すぎやまこういち先生とは

1931年4月11日生まれ。東京大学卒業後、文化放送を経てフジテレビに入社。その後作曲家として独立。初代から現在に至るまでドラクエシリーズすべての作曲に携わっておられます。(はんぱねぇ…)現在も86歳(!)という高齢ですが、ドラクエシリーズはすべてプレイしているという、ドラクエを愛し、ドラクエには欠かせない人となっています。

自身が作曲しているドラクエシリーズを初めとして、かなりゲームをやりこんでいるゲーマーとしても有名で、ドラクエ9発売当初では、下手なユーザーよりよっぽどレベルが上だったなんて話もあったそうです。

 

作曲スタイル


その作曲スタイルは、「ザ・王道クラシックスタイル」です。すぎやま先生はきちんと音楽理論を勉強し、クラシックを学んでいたこともあり、作曲の方法はセオリー通りと言いますか、クラシックの基本的な考え方を応用しているものが多くみられます。

例えばドラクエⅡの城のテーマ。有名な話ですが、すぎやま先生ご自身、これは「A線上のアリア」だと言われています。バッハのG線上のアリアをモチーフにしていることが良く分かりますね。


ドラクエ2 王城 Strings


バッハ「G線上のアリア」 Bach "Air on G String"

 

制約は人を燃えさせる?

そんなすぎやま先生の曲ですが、ファミコンが出た当初は3和音しか使えないということもあり、その制限が先生のハートに火を付けたそうです。3和音だと、パーカッションとメロディーですでに2トラック埋まってしまうので、ポップス的な作り方ではスカスカになってしまいます。しかし、バッハのフーガの技法を駆使し、少ない旋律を重ね合わせて深みのある音楽に仕上げています。

 

そんなクラシックに影響された音楽が多いので、ドラクエの曲はオーケストラアレンジになると非常に映えます。例えば、メインテーマの最初の「ぱーぱぱっぱっぱっぱ ぱぱぱ ぱぱぱ ぱぱぱ ぱぱぱ ぱぱぱ ぱーっぱぱ ぱ・ぱ・ぱ ぱーーーー」っていうのがあるじゃないですか。(分かるか!)

あれ、実はホルン五度と言って、二つの和音は五度の和音で出来ているんですが、ちょうどホルンという楽器で演奏すると最も美しく聞こえるように出来てたんです。オーケストラバージョンを聞くと「あーこれはホルンで演奏することを想定されてたのか」と納得するレベル。あのファミコンの電子音の中ですぎやま先生の頭の中ではホルンの音が鳴っていたのかもしれませんね。


すぎやまこういち 交響組曲ドラゴンクエスト「序曲」

 

 

ドラクエにはやっぱり欠かせない存在


ドラクエにはFFとは違う特徴があります。それは「主人公がしゃべらない」ことです。しゃべらないので主人公の感情の描写がありません。いきなりモンスターが出て来ておどろいた時、洞窟に入った不安な気持ち、洞窟を抜けて新しい大地に踏み入れた時の気持ち…こういったものをすぎやま先生は音楽一つでやってのけたのです。比較的台詞の少ない初期のドラクエシリーズを楽しむことが出来たのはひとえにすぎやま先生の言葉以上に語りかける音楽のゆえだったといっても過言ではありません。

 

 

 

まとめ

ドラクエ30周年。それはすぎやまこういち先生の音楽の歴史ともいえましょう。音楽なくしてはありえなかった快挙ですね。


そんなすぎやまこういち先生に対して全く違うアプローチで挑んだのがFFの植松伸夫先生です。その違いはまた別記事で。